目標設定は具体的な数値がよいのでしょうか?

よくある質問コーナー

「部内の目標設定は具体的な数値の方が良いのでしょうか?具体的な数値を掲げてみたのですが、なんか他人事のように感じるスタッフも多くてー。管理者になって間もないので多くの人の意見を聴いてみたいです。

このような相談をLINE文章相談でいただくこともあります。

仕事における様々な悩みにご対応させていただくと、部署目標の設定の仕方に悩まれておられる方もいらっしゃいます。

部内の具体的な数値目標を達成するため、個人目標を立てましょう」って言ってもピンとこないスタッフが多いようです

いやー、悩みますよね。

物事の目標を決める時は、その目標が達成したかどうか判断できるよう、具体的で数値化できる目標を立てた方が良いと聴きます。

具体的であれば客観的な目で捉えることができるからです。

はたしてそうなのでしょうか?

少し自分の中で腑に落ちない点があったので、頭の整理のためにまとめてみました。

仕事における部署の目標は?

様々な仕事で部署目標が掲げられているかと思います。

「売上130%UP!」

「新規顧客数毎月30名」

数値化しやすい仕事では具体的な数値目標を設定し、その数値の達成に向けて各々が何をすべきなのか考えることでしょう。

そのこと自体に異論はないのですが、数値化できない仕事では部署目標はどのようにされているのか疑問に感じました。

特にメンタルヘルスケアを職務にしている方は、「クライアント目標達成率○割」「クライアント満足度○%」等の数値化した目標を設定しているのでしょうか?

一部署の人数が100名いるような大きな部署の目標設定は、トップダウン型で目標設定を示しているのでしょうか?

具体的な目標を掲げることでのデメリットもあるのではないかと考えました。

具体的な目標設定のデメリット

具体的な目標を設定することのメリットは言うまでもありません。

しかしデメリットもあるのではないかと考えた時に、具体的な目標を敢えて設定しない目標設定もあるのではないかと思うようになりました。

例えば先ほどの例で言うと、メンタルケアを専門にしている部署の目標設定が「クライアント目標達成率○割」だったとした時に、陥りやすい問題としては、目標達成のためにクライアントの気づきの時間を狭めてしまい、本来の自然体でのカウンセリングがしにくいのではないかということです。

また一部署が100名もいるような大きな部署で、具体的な部署目標の数値設定をした時に、他人事のように捉え、自身に置き換えることができなくなるのではないかということです。

視点を変えた目標設定

具体的な方が分かりやすいということは多分にありますが、大きな部署で意識を統一する難しさを考えると、他人事の具体性よりも自分事の主観性、に目標設定をした方が浸透するのではないかと思います。

もちろん具体的なものを浸透させる方が良いとは思いますが、理想を追い求めるよりは現実的に考えた時に、こういう考え方もあるのではないでしょうか。

他人事であれば、具体的な目標は浸透しません。

絵に描いた餅に終わってしまうことも考えられます。

一方、自分事であれば、自身で考えるようになり浸透しやすくなります。

去年の自分よりも今年の自分の方が成長した、と思える自分事の主観性を目標設定にする方が良い場合も考えられます。

またカウンセリングを行う中で、「無条件の肯定的配慮」「共感的理解」ということを重要視することが基本とされています。

具体的な部署目標設定をしてしまうと、その基本姿勢に悪影響が出てしまいそうな気がします。

もちろんブレない姿勢でいる方も多いのでしょうが、私はまだまだその域には達していません。

このようにメンタルケアに従事する部署では、カウンセリングの基本姿勢がとれているかを問うような自己の内面の姿勢を問うような主観的な目標設定の方がしっくりきます。

なんてことを考えていると昨年の自分自身の目標は何だったかな?と思い、新年早々に目標を書いたであろうノートのことを思い出しました。

引き出しを開け、そのノートを取り出し、書いた記憶のあるページをそーっと覗きました。

いい男になる!

いやーお恥ずかしい限りです。

まったく具体的でもない目標ですが、自分自身でいい男になった、って思えたら目標達成ですよね。っていうことでいいですよね。

いい男の定義が分かりませんが素直な男はカッコイイと思います。

素直に思ったことをまとめていく、というメンタルヘルス推進室の公式ホームページの継続は、いい男になるための一歩と思った今日この頃でした。

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